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友利成来さん

食事を意識しすぎて苦しくなったあの日から、

自分にも、周りにも優しい「柔軟性」に気づくまで

沖縄市にあるオーガニック市場てんぶすには、

いろいろな地域から、さまざまなバックグラウンドを持つお客さんが来店します。

「近所のスーパーではなく、どうしててんぶすを選んでくれるんだろう?」

「いつも元気なあの人、どんな人なんだろうな。」

お客さんのことをもっと知りたくなった眞榮田代表は、店長の国吉さんを引き連れて、

常連の方々にお話を聞かせていただくことにしました。

 

 

初回にお呼びしたのは、ローチョコレート職人の友利成来さん。

まわりを虜にするような、人懐っこいキュートな笑顔の持ち主です。

しかしその裏には想像よりも長い、悩み苦しんだ過去が存在しました。

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【インタビュアー】

成来さん、今日はよろしくお願いします。

 

 

【成来】

よろしくお願いします。

こんな本格的な取材だと思わなくて、いつもの洋服で来ちゃった(笑)。

 

 

【インタビュアー】

全然!普段通りで大丈夫ですよ。では早速、成来さんのご職業から伺っていきたいと思います。

 

 

【成来】

はい!お願いします。

断食の反動でチョコレートを2箱ペロリ。玄関でぶっ倒れた。

【インタビュアー】

成来さんは「ローチョコレート職人」ということですが、成来さんが作っている

ローチョコレートと、一般的なチョコレートの違いについて教えてもらえますか?

 

 

【成来】

大きな違いは焙煎するかどうかですね。

普通のチョコレートは、200度以上の高温で豆を焙煎して、そこにミルクや砂糖を添加していくんですけど。ローチョコレートは、豆を焙煎しないで天日干しにするんです。私が使ってる豆はマダガスカル産なんですけど、マダガスカルの人が2週間以上ネットの上で天日干しにするんですね。そうして乾燥したカカオ豆を48度以下の低温の熱でカカオパウダーにしていきます。

 

 

【インタビュアー】

一気に加熱せずじっくりじっくり熱を加える、時間のかかる工程ですね。

【成来】

48度以上の熱を加えないっていうのはローフード(raw food)の定義です。

人間のお肌が火傷しちゃうのと同じように、植物も48度以上の熱を加えるとエネルギーが死んでしまうっていうデータがあって。低温で寝かせながら植物のパワーを最大限に活かすっていうのがローフードの考え方です。

 

 

【インタビュアー】

ローチョコレートの「ロー」は「ローフード」からきてるんですね。

 

 

【成来】

私の場合は、たまたまローフードに当てはまる作り方をしてたんです。

低温のほうが作りやすいし、何より美味しいなと思って。

あとは白砂糖の代わりにココナッツを使ったり、冬はメープルに変えたりしています。添加物も一切入れてないですね。

 

 

【インタビュアー】

成来さんが自分でチョコレートを作ろうと思ったきっかけは何だったんですか?

 

 

【成来】

断食です。

私、小さいときからチョコが大好きで、夢が「カカオの海で泳ぎたい」だったんです(笑)。

【国吉】

食べながら泳ぐみたいな?

 

 

【成来】

そうそう!それくらい好きなんですけど。

断食にはまりはじめた頃、断食を20日間、準備食と回復食を含めてトータル40日くらい取り組んだことがあるんです。全てのプログラムを終えたら、もうリミットが外れちゃって!市販のチョコレートを2箱一気に食べちゃったんです。で、玄関でそのまま倒れちゃったんですよ。

 

 

【国吉】

え〜(驚)。

 

 

【成来】

なので、安心して食べられるチョコレートを作ろうと思いました。

食への過剰反応で、ガチガチに凝り固まった思考と生活

【インタビュアー】

そもそもどうして断食をしようと思ったんですか?

 

 

【成来】

ずっと低体温症で、35.6度とか普通で...。体質だからしょうがないなって思ってたんです。でも、ある日すんごい気分悪くて絶対熱ある!って測ってみたら34.5度!体温計が点滅してたんです。それから体質改善のために、3日から5日、1週間と断食にトライするようになりました。

 

 

【眞榮田】

今も断食続けてる?

 

 

【成来】

定期的にやってます。でも3日とか。それ以上やると筋肉が落ちてきたり、精神的に朦朧としちゃうから。生活のバランスが崩れるというか...。

 

摂食障害みたいになった時期もあります。ナチュラルなものしか取り入れたくない、外で出されたお水も飲めない。そんな状態が1年くらい。さすがにこれはいけないなと思いました。

 

 

【インタビュアー】

かなり食に対する意識が高まってたと思うんですけど、その時期はてんぶすに通

ってましたか?

 

 

【成来】

そうですね。断食をはじめた3ヶ月後くらいに、沖縄市に引っ越してきて。

いいお店ないかなって思ってちょろちょろ歩いてたら、てんぶすさん見つけました。

 

 

【国吉】

たまたま?

ネットで検索したとかじゃないんだね。

 

 

【成来】

そうなんですよ。それから1年後に、いれいはりきゅう院(※)の伸子先生に、てんぶすさん紹介されて。あ!知ってますよーって。

 

 

※てんぶすでは、いれいはりきゅう院が推奨する食養生商品を扱っています。

 

 

【インタビュアー】

初めて行ったときの印象って覚えてますか?

 

 

【成来】

もう最高!って思いました。チョコレートを求めていったんですよ。オーガニックチョコレートが買えるところってあんまりないんですけど、てんぶすには売ってて。

 

そのとき、お店の方に「国産にこだわりすぎちゃだめよ!外国産がいいときもあるから。」って教えてもらったの覚えてます。

【インタビュアー】

これも食べていいんだって教えてもらえるとなんだか気が楽になりますね。

 

 

【成来】

食事について調べれば調べるほどダメなものが増えていって、考えが凝り固まっちゃうんですよね。お肉に対して嫌悪感をもったり、添加物なんか最悪、ってガチガチな思考だったときもあるんです。

 

でも、柔軟に生きていくのが一番自分にも優しいし、大切な人にも優しいし、周囲にも優しいんじゃないかなって。食事を意識しはじめて6年くらい経ちますけど、今はそう思えてます。

 

 

【インタビュアー】

ああでもない、こうでもないって、結構試行錯誤したんですね。

 

 

【成来】

うん、そうですね。その経験をしたから、なんくるないさーって肩の力が抜けた今の私がいるのかなって思います。

 

 

【眞榮田】

ある日ストンておちるときがあるよね、自分らしくなったというか、フィットしたっていうか。周りもストンとすっきりした成来さんを見ると気持ちいいもんね。

 

 

【インタビュアー】

断食したり、食事に気をつけたりしてから、何か変わったなってことありました?

体が変わったり、心が変わったり。

 

 

【成来】

全部変わりました。

 

 

【インタビュアー】

全部?

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【成来】

もう人生が全部(笑)。

体はもちろんですけど、体重が増えたり減ったりだけじゃなくて、考え方とか、発する言葉も変わりました。

 

 

【インタビュアー】

考え方が変わったって具体的にはどう変わったんですか?

 

 

【成来】

自然と一体になってる。つながりを感じているとか....。

自分の体の感覚をもっと実感できるようになったというか....。

 

 

【眞榮田】

わかる。僕「唯識」を勉強してるんだけど、唯識に直接アプローチするのに断食が必要っていうよね。こう見えて、僕も断食やってるので(笑)。

 

 

【一同】

(笑)

 

 

【インタビュアー】

ってことは、今が一番ラクですか?

 

 

【成来】

ラクというか、幸せです。今はあまり意識してないんですよ。自分の食事のルールが定着して無意識にチョイスできるというか。もっとストイックにやろうと思えばできるんですけど、流れるまま、自然なまま...。グルテンも気にしてて小麦は絶対食べない!っていう時期もありましたけど、今はこの人が作ったパンだったら食べたいなって思うようになりました。

不調を治すには根気が必要。時間をかけて自分と向き合えば必ず治ると信じてる

【インタビュアー】

てんぶすでお気に入りの商品ってどんなものがあります?

 

 

【成来】

お味噌美味しいですー!お醤油と、お味噌と、レメディーはてんぶすで買いますね。あとお豆腐。生姜とかも好きです。

 

 

【眞榮田】

生姜、山盛りで売ってるからね。

 

 

【国吉】

私も働き始めたときこんな売り方あるんだーって(笑)。がっつりまとめて買っていく方もいますよね。

 

 

【インタビュアー】

シンプルに「おいしい」って感じるんですかね?

 

 

【成来】

おいしいし。何か、信じてる。その商品を。ここだったら大丈夫かなって。信頼してます。

 

 

【インタビュアー】

体の変化も知りたいんですけど、食事を気にするようになって、基礎体温あがりました?

 

 

【成来】

あがりました!36.8くらい?

 

 

【眞榮田】

もう赤ちゃんじゃない(笑)。

 

 

【成来】

いやもう低かったときは、このままじゃ病気になるって自分でわかりましたもん。

 

 

【国吉】

私も若いとき経験ある。低すぎてびっくりするよね。でもてんぶすで働くようになって、玄米とか食べるようになってから私も基礎体温あがったんですよ。腸の調子もいいし。

 

 

【成来】

やっぱり人って、食べ物でつくられてますよね。

 

 

【国吉】

何食べたら体調よくなる?って聞かれるけど、これ食べたら確実に効きますってものはないんだよね。

 

 

【眞榮田】

食事はサプリと違うから、速さを求めない心は大切だよね。これ食べたからってすぐに調子がよくなるかっていったら違う...。ゆっくりゆっくりだよね。

【成来】

そうですよね。

その話で思い出したんですけど、断食はじめて2年くらいでアトピーが出たんです。

腕曲げたら血がだらだら流れるくらい。かゆいし痛いし、すごい苦しくて。当時基地の飲食店で働いてたんですけど、制服が半袖だったから、湿疹見たお客さんに「これなに?」って指さされたり、心無い言葉を言われたり。マネージャーにも「感染病と思われるからバイト休みなさい」って言われて。心も体もズタボロで...。薬も塗ったりしたんですけど、1日で湿疹が消えたことが逆に不自然すぎて怖いなと思ってやめました。

 

根気よくいろんなことを試し続けて、治るまで2年かかりました。全身にアトピー出てる子とか見かけたら「わかるー!でも絶対治るから。」って思います。治らないものはないと思うから。

 

 

【インタビュアー】

ほんとに成来さん、失敗したり成功したり、たくさん試しながら波を越えてきたんですね。

 

 

【成来】

本を読んで勉強もしますけど、私は実践型です。いつ終わるのかわからないし超辛かったんですけど、自分の体と向き合う大切さを教えてくれたのが食事だなと思います。だから食事に気をつけている人、大切にしている人はなんとなく、人として信頼できるなぁって思っています。

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良いも悪いも気持ちよく受け止めれたら人生最強

【インタビュアー】

これからやっていきたいことってありますか?

 

 

【成来】

うーん。今のままで幸せ(笑)。

 

 

【インタビュアー】

素敵ですね〜。

 

 

【成来】

今、女性性に関する講師とかもしてて。小中高生向けに生理のこととか女性の体の仕組みとか、自分の体を知らないことの怖さ、知る大切さをシェアしたりしてるんですね。これからも、いろんな活動とか人を繋ぎながら愛を伝えていきたいし、多様性を大事にしたいです。

 

 

【インタビュアー】

多様性ですか。

 

 

【成来】

自分のことフレキシタリアン(flexitarian)って言ったりするんです。

ベジタリアンでもビーガンでもなく、フレキシブル(柔軟)にマインドも食事も心がけられたらいいなって。

【国吉】

お料理出されたらなんでも食べるの?

 

 

【成来】

お肉は食べないですけど、お魚は食べますよ。お父さんがウミンチュだから。

 

 

【国吉】

え〜、そうなんだ!

 

 

【インタビュアー】

最後の質問なんですけど、てんぶすは「自然体」という言葉をお店のテーマにしてるんですね。成来さんにとっての自然体ってどういう状態ですか?

 

 

【成来】

いいも悪いも全部受け止めることが自然体かな。

それが気持ちよく感じられたら人生最強。

 

 

【眞榮田】

善悪のちょっと上にあってどっちもいいよねって言える、アウフヘーベンみたいな感じかな?うちは「自然体」をテーマにしてはいるんだけど、自然体は何かわからないっていう前提で運営していこうと思ってて。いろんなお客さんに自然体ってなんだと思う?って聞き続けたいなと思ってる。

 

 

【成来】

みんなそれぞれ違うから。

 

 

【眞榮田】

そうそう。違っていいんだけど、てんぶすを通して、今ちょっと偏ってるかもとか、調子いいかも!とかわかってくれてる感じがいいのかなって。

 

 

【成来】

最高です。

 

 

【国吉】

普段こんなには詳しく話さないから、今日話聞けてよかった。ありがとうございました。またお店でね。

 

 

【成来】

はーい!

 

 

 

第二回目は、ヨーガ セラピストのタユフェール美弥さんです。

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